西暦198X年。深刻なエネルギー不足に悩んでいた人類は、地球のマグマの中から新エネルギー「フリーゾン」を発見。反物質反応により原子力の数百倍のエネルギーを生み出し、しかも完全な無公害。謎の部分を多く残しつつも、理想的とも言える新エネルギーであった。199X年、フリーゾンによって人類は飛躍的な発展を遂げる。若干の争いこそあったが、世界は新エネルギーの力によって統合され、「マクロゾーン」と呼ばれる5つの連邦国家が成立した。アフリカ地区「ケトラゾーン」、アメリカ地区「エトラゾーン」、ヨーロッパ地区「セトラゾーン」、インド地区「レトラゾーン」、そして、火山都市、日本シティのある大平洋地区「メトラゾーン」を中心に、貧富の差は縮まり、各ゾーンに設置された超コンピューターによって、永久に続くかとも思われる平和を満喫していた。 遥か宇宙の彼方から、想像を絶する恐怖が迫りつつあることも知らずに・・・・。 | |
1999年。「その」事を知っていた者はごく僅かであった。その日、多くの人々がいつもと変わらぬ平和な日々を謳歌していた。メトラゾーン東京区の外れ。雲間から今まさに太陽がのぞこうとしていたその時である。 | |
ほとんどの者が、何が起こったのかを知ることなく塵と化した。 |